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タイピングの姿勢と手首の置き方 — 厚生労働省・文部科学省の目安でそろえる

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著者
タイピング無双 開発者

先に答えます。タイピングの姿勢には、公的な指針に具体的な数字があります。大人の事務作業では、厚生労働省のガイドラインが、画面との距離をおおむね40cm以上、画面の上端を眼の高さとほぼ同じかやや下、上腕と前腕の角度を90度以上、履き物の足裏全体を床につける、としています。子どもは、文部科学省のガイドブックが、目と端末の距離を30cm以上、30分に1回は20秒以上画面から目を離して遠くを見る、としています。

手首を浮かせるべきかについては、どちらか一方に決めた公的な基準がありません。厚生労働省の解説には、打鍵のときに腕や手首を乗せる支持台がないと、肩のこりや痛みが増えるという調査が書かれています。同じ解説には、手が小指側へ大きく曲がっていると、腕の疲れや痛みが増えるとも書かれています。「手首は必ず浮かせる」「パームレストは休憩中だけ」という決まりは、確かめられませんでした。

この記事は、姿勢の数字の基準にしている記事です。書いているのはタイピング無双の運営者で、医師や人間工学の専門家ではありません。休憩の目安はタイピングで手首・腕が疲れる、痛いときにあります。

NUMBERS

姿勢の数字は何が決まっていますか?

大人向けの数字は、厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(令和元年7月12日付け基発0712第3号、令和3年12月1日付け基発1201第7号で一部改正)の本文と解説からです。事務所で情報機器作業をする労働者のために、事業者が取る措置を示した文書です。事務所以外の場所の作業にも、できる限り準じるよう求めているので、家での練習の参考になります。

項目目安補足
画面との距離おおむね40cm以上眼に負担をかけず画面を見られ、眼とキーボードの距離に極端な差が出ないための距離です。
画面の高さ画面の上端が、眼の高さとほぼ同じか、やや下大きな画面で上端が眼より上になるときは、できるだけ高くならないようにします。
上腕と前腕の角度90度以上。キーボードに自然に手が届くこと解説の中の、デスクトップ型パソコンで好ましいとされる姿勢です。上限の数字は示されていません。
座り方椅子に深く腰をかけ、背もたれに背を十分にあて、履き物の足裏全体が床に接する床に届かないときは、足台を使います。椅子と太ももの裏側の間には、手指が入る程度のゆとりを置きます。
姿勢の変化座位のほか、時折立位を交える同じ姿勢を続けないための項目です。
大人(事務所での情報機器作業)の目安。出典は厚生労働省のガイドライン本文と解説。

子どもの数字は、文部科学省「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」(令和4年3月改訂版)からです。

項目目安
目と端末の距離30cm以上
休憩30分に1回は、20秒以上、画面から目を離して遠くを見る
姿勢の考え方「一つの正しい姿勢」というものはなく、無理な姿勢のまま長時間作業をし続けないことが重要
児童生徒の目安。出典は文部科学省のガイドブック。

大人向けの40cmと子ども向けの30cmは、別々の文書の数字です。なぜ違うのかは、どちらの文書にも書かれていません。どちらも「以上」の下限で、遠ければよいという意味でもありません。ガイドラインは、画面とキーボードの距離に極端な差が出ないことも求めています。

同じ文書の解説は、好ましい位置や角度は人によって違うので、各自が調整する必要がある、とも書いています。数字は出発点です。

WRIST

手首は浮かせるべきですか? パームレストは使っていいですか?

「手首は必ず浮かせる」「パームレストは休憩中だけ」という決まりは、公的な指針にありません。確かめられたことは次のとおりです。

  • 支持台がないと、肩のこりや痛みが増える(厚生労働省の解説)

    解説は、これまでの調査研究から、打鍵の際に腕や手首を乗せる支持台がないと肩のこりや痛みが増加するといわれている、と書いています。本文は、必要に応じてパームレスト(リストレスト)を利用できるようにする、としています。

  • 手が小指側へ大きく曲がると、腕の疲れや痛みが増える(同)

    解説は、手の側屈(尺側変位)が大きいと腕の疲れや痛みが増加するといわれている、とも書いています。

  • 手首をまっすぐに保つ(米国 OSHA)

    米国労働安全衛生局(OSHA)のオンライン資料は、手・手首・前腕を、まっすぐで一直線に近く、床とほぼ平行にするよう示しています。縁が硬く鋭いリストレストは前腕や手首に影響することがある、キーボードの脚を立てて手首の曲がりが増えるなら使わない、とも書いています。

速さの面では、Feit ら(2016年)の研究で、速い人に共通していた点のひとつが「手全体をあまり動かさない」ことでした。手首を浮かせるか置くかを比べた研究ではありません。

つまり、浮かせるか置くかを決める基準は「どちらが正しいか」ではなく、次の3点を自分で確かめることだと運営者は考えます。

  • 手首が曲がっていないか

    打っている間に、手の甲と前腕がほぼ一直線で、手が小指側へ大きく曲がっていないかを見ます。

  • 肩や首が固まっていないか

    腕を宙に保って肩がこるなら、腕や手首を乗せる場所を足すか、椅子と机の高さを見直します。

  • 縁が当たって痛くないか

    机の縁やリストレストの縁が前腕や手首に当たっていないかを見ます。

ELBOW

肘の角度は何度ですか?

厚生労働省の解説は、上腕と前腕の角度を90度以上とし、キーボードに自然に手が届くことを求めています。上限の数字は示していません。米国 OSHA は、肘を体に近づけて90〜120度としています。「90〜110度」という数字は、出典を確かめられなかったので、この記事では使いません。

角度の測り方に迷うときは、キーボードに手を置いたとき、肘が鋭く曲がったり腕が突っ張ったりせず、肩がすくんでいないかを見てください。合わないときは、次の節の順で椅子と机の高さを見直します。

SCREEN

画面の高さと距離は? ノートパソコンの場合は?

距離はおおむね40cm以上、高さは画面の上端が眼の高さとほぼ同じかやや下です。解説は、これまでの調査研究から、頭の前傾が大きくなると首のこりや痛みが増えるといわれている、と書いています。画面をのぞき込む形になっていたら、画面の高さや文字の大きさを見直します。

ノートパソコンは画面とキーボードが一体なので、デスクトップ型の「好ましい姿勢」をとるのは容易ではない、と解説も認めています。長時間使うときは、外付けディスプレイを使うことが望ましく、小型のノートで長時間使うなら外付けキーボードが望ましい、としています。キーボードの選び方はタイピング練習用キーボードの選び方にあります。

タイピング無双は、パソコンの物理キーボードか、外付けキーボードをつないだタブレットで遊びます。スマホの画面のキーボードでは打てません。

CHAIR

椅子と机の高さはどう合わせますか?

厚生労働省の解説は、高さを調整できる机を使う場合、椅子の高さを先に合わせてから机の高さを調整するとよい、としています。この順で合わせます。

  1. 01.椅子に深く腰をかけ、背もたれに背をあてる。
  2. 02.足裏全体が床に接する高さにする。届かないときは足台を使う。
  3. 03.椅子と太ももの裏側の間に、手指が入る程度のゆとりがあるかを見る。
  4. 04.机の高さを調整して、上腕と前腕が90度以上で、キーボードに自然に手が届くようにする。
  5. 05.高さを調整できない机なら、椅子の高さとフットレストで合わせる。調整できない机は、高さ65〜70cm程度のものが望ましい、と解説は書いています。

解説には、椅子の座面の高さが37〜43cm程度の範囲で調整できることが望ましい、とあります。これは椅子が調整できる範囲の目安で、あなたの座面の目標ではありません。座ってクッションが2〜3cm沈んだ状態の高さで、市販の椅子の表示は沈む前の高さが一般的なので、数字は合いません。高さ調整できる机は、60〜72cm程度の範囲で調整できることが望ましい、とされています。

KIDS

子どもの姿勢は大人と同じでいいですか?

数字が違うところがあります。文部科学省のガイドブックの目安は、目と端末の距離が30cm以上、30分に1回は20秒以上遠くを見る、です。同じガイドブックは、「一つの正しい姿勢」というものはなく、無理な姿勢のまま長時間作業をし続けないことが重要、とも書いています。姿勢は家庭でも悪い姿勢で長時間使うことが考えられるので、習慣になる前に指導することが大切、としています。

足が床に届かないときは、足台を使います。これは大人向けのガイドラインの考え方ですが、体に合わない机と椅子で足が浮く場面は、子どもにも起きます。

タイピング無双には、30分つづけて遊ぶと「ひと休みしよう」という画面が出て、20秒のあいだ画面から目を離して遠くを見るよう案内する「休憩のお知らせ」があります。文部科学省のガイドブックの目安に合わせた設定です。詳しくはタイピングで手首・腕が疲れる、痛いときにあります。家で始めるときの準備は、子供にタイピングを家で始めさせる前ににまとめています。

FAQ

よくある質問

  • Q. 座面は何cmにすればいいですか?

    決まった数字はありません。37〜43cmは椅子が調整できる範囲の目安です。足裏全体が床に接し、椅子と太ももの裏側の間に手指が入るゆとりがある高さに合わせてください。

  • Q. 立って打ってもいいですか?

    厚生労働省のガイドラインは、座位のほか、時折立位を交えて作業することが望ましい、としています。立って打つときの数字は、ガイドラインに示されていません。画面の高さや腕の角度は、座るときと同じ考え方で合わせればよいと運営者は考えます。

  • Q. 姿勢を直すと速く打てるようになりますか?

    姿勢と打鍵の速さの関係を直接調べた研究は、確かめられませんでした。公的な指針が根拠にしているのは、こりや痛み、疲れです。1時間以上続けると誤入力が増える、という研究が休憩の目安の根拠になっています。休憩は手首・腕が疲れる、痛いときにあります。

  • Q. タブレットに外付けキーボードをつないで打つときは?

    厚生労働省のガイドラインは、長時間タブレットを使うときは、ディスプレイ、キーボード、マウスなどのオプション機器を適切な配置で使えるようにすることが望ましい、としています。具体的な配置は書かれていません。同じ解説は、タブレットやスマートフォンを長時間の作業に使うことは、できる限り避けることが望ましいとも書いています。画面を高くして、外付けキーボードを手前に分けて置く形が考えられます。

SUMMARY

まとめ

大人は、画面との距離40cm以上、画面の上端は眼の高さかやや下、上腕と前腕は90度以上、足裏全体を床に。子どもは、30cm以上と、30分に1回20秒以上遠くを見る。これが公的な指針の数字です。

手首を浮かせるか置くかは、公的な指針でも決めていません。手が曲がっていないか、肩が固まっていないか、縁が当たっていないかで決めてください。

痛みやしびれが続くときは、姿勢の調整より先に、医療機関に相談してください。

SOURCES

この記事の出典

この記事の数字と文言は、次の資料で確かめました(確認日:2026年10月18日)。ページ番号は PDF の通しページです。OSHA と論文は英語の資料です。

  1. 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて」(令和元年7月12日付け基発0712第3号、令和3年12月1日付け基発1201第7号で一部改正)本文と解説 — 本文 p.6〜9、解説 p.21〜25
  2. 文部科学省「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」(令和4年3月改訂版) — p.8〜11(タブレットPCの使い方、Q&A)
  3. 米国労働安全衛生局(OSHA)Computer Workstations eTool「Working Positions」 — 肘の角度、手・手首・前腕の位置
  4. 米国労働安全衛生局(OSHA)Computer Workstations eTool「Keyboards」 — リストレストの縁、キーボードの脚
  5. Feit AM, Weir D, Oulasvirta A. How We Type: Movement Strategies and Performance in Everyday Typing. CHI 2016. — 手全体の動きと速さ(Abstract、Discussion)
  6. タイピング無双の休憩のお知らせは、設定画面とプログラム(2026年10月18日時点)

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