BASICS — INPUT METHOD
かな入力とローマ字入力はどっちが早い?打鍵数でくらべた違いと選び方
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結論から書きます。打鍵数は、かな入力のほうが少なくなります。タイピング無双の出題辞書 16,132 語で数えると、かな入力は、ローマ字入力の約 7 割の打鍵数で打ち終わります。ただし、打鍵数が少ないことが、そのまま「早い」になるかは、確かめられていません。ローマ字入力とかな入力の速さを直接くらべた実験を、私は見つけられませんでした。
これから覚える人には、ローマ字入力から始めるのが無理のない選択だと、私は考えています。理由は後ほど、確かめられた事実と私の考えを分けて書きます。すでにかな入力で困っていない人は、変えなくてかまいません。
先にお断りします。私はタイピング無双の開発者で、このゲームはローマ字入力だけです。かな入力のモードはなく、かな入力では遊べません。つまり、この記事は「ローマ字入力を選んでほしい」立場にいます。打鍵数は数え方を書いたので、ご自分で確かめられます。
BASICS
かな入力とローマ字入力は、仕組みがどう違いますか?
ローマ字入力は、アルファベットのキーの組み合わせでかなを打つ方式です。「か」なら k と a の 2 打、「あ」なら a の 1 打です。かな入力は、キーに刻印されたかなを直接打つ方式です。「か」は「か」のキーを 1 回押します。
| 項目 | ローマ字入力 | かな入力 |
|---|---|---|
| 打つキー | アルファベットのキー | キーに刻印されたかなのキー(キーボード全体に広がる) |
| 「あ」 | a(1 打鍵) | あ(1 打鍵) |
| 「か」 | ka(2 打鍵) | か(1 打鍵) |
| 「が」 | ga(2 打鍵) | か + ゛(2 打鍵) |
| 英語を打つとき | 覚えたキー位置をそのまま使う | アルファベットの位置も別に使う |
ほかにも入力方式はありますが、この記事では扱いません。調べていないことは書かないためです。
KEYSTROKES
打鍵数は、どれくらい違いますか?
数え方を先に書きます。材料は、タイピング無双の出題辞書(v20260910)の 16,132 語です。読みのひらがなは、合わせて 66,132 文字あります。
ローマ字入力の数え方
各かなを、受け付ける綴りのうち最短のもので数えます(si・ti・tu・hu・zi、sya、ja など)。「っ」は次の子音を重ねる 1 打鍵、「ん」は次が子音なら n 1 回、それ以外(語末を含む)は nn です。
かな入力の数え方
かな 1 文字を 1 打鍵とし、濁点・半濁点は 1 打鍵を足します。小さい文字(ぁぃぅぇぉゃゅょっ)は Shift を押しながら打つので、Shift を数えない場合と、1 打鍵と数える場合の 2 通りで出しました。
| 数え方 | 辞書全体の打鍵数 | かな 1 文字あたり |
|---|---|---|
| ローマ字入力(最短の綴り) | 111,922 | 1.69 |
| かな入力(Shift を数えない) | 74,731 | 1.13 |
| かな入力(Shift を 1 打鍵と数える) | 79,867 | 1.21 |
| 言葉 | ローマ字入力 | かな入力(Shift を数えない) | かな入力(Shift を数える) |
|---|---|---|---|
| ありがとうございます | 17 | 13 | 13 |
| しんぶん | 7 | 5 | 5 |
| きょうしつ | 8 | 5 | 6 |
SPEED
打鍵数が少ないと、早いのですか?
分かりません。打ち終えるまでの時間は、打鍵数だけでなく、1 打にかかる時間でも決まります。打鍵数が少なくても、キーを探して迷う時間が長ければ、逆転することがありえます。逆に、打鍵数が多くても、1 打を速く打てるなら、差は縮まります。
ローマ字入力とかな入力の速さを、同じ条件で直接くらべた実験を、私は見つけられませんでした(検索した範囲です)。英語のタイピングを大規模に調べた研究はありますが、日本語の入力方式の比較ではありません。
ゲームでは、WPM はローマ字の打鍵数で数えます(WPM の平均と目安)。かな入力の「文字/分」のような数字とは、単位が違うので、そのままくらべられません。
CHOOSING
これから始めるなら、どちらにしますか?
私は、ローマ字入力から始めるのが無理のない選択だと考えています。確かめられた事実と、私の考えを分けて書きます。
確かめられた事実: 小学校ではローマ字を学ぶ
小学校の国語は、第 3 学年でローマ字の読み書きを学びます(学習指導要領)。2026 年 10 月 5 日の次期学習指導要領の審議まとめ(審議の段階の文書)は、小学校のタイピングを「ローマ字入力によるタイピング」と呼び、総合的な学習の時間の「情報の領域」を中心に学ぶ方向を示しています。私が読んだ国語編の解説に、ローマ字入力・かな入力という言葉は出てきません。
私の考え: キー位置が英語入力と共通
ローマ字入力で覚えたアルファベットのキー位置は、英語やパスワードの入力にそのまま使えます。かな入力では、かなの位置に加えて、アルファベットの位置を別に使います。覚えることを増やしたくない人には、ローマ字入力が楽だと考えています。
かな入力の利点: 打鍵数が少ない
前の節で数えたとおり、同じ言葉を少ない打鍵で打てます。これが速さにつながるかは確かめられていませんが、すでにかな入力に慣れている人が、この利点を手放す理由は、いまのところありません。
かな入力とローマ字入力の利用者の割合は、公的な統計を見つけられませんでした。そのため、「大多数はローマ字入力」とは書きません。
SWITCHING
すでにかな入力の人は、変えるべきですか?
困っていなければ、変えなくてかまいません。変える理由になるのは、たとえば、タイピング無双のようにローマ字入力が前提のゲームを遊びたいときです。変えると速くなるという根拠はありません。
変えるなら、期間を決めて、ホームポジションから覚え直すのが、迷いが少ないと考えています。乗り換えた直後は、打つ速さが落ちると考えられます。進め方はタイピングが早くなる練習方法、打ち方の一覧はローマ字入力の一覧表を使ってください。
Windows の Microsoft IME では、設定で有効にすると、Alt キーを押しながらひらがなキーを押して、かな入力とローマ字入力を切り替えられます。必要な設定は、Microsoft IME 設定の General にある「Alt + カタカナひらがなローマ字キーでカナ/ローマ字入力を切り替える」です(Microsoft の公式ページ)。ほかの環境の切り替え方は、確認できていません。
TYPING MUSOU
タイピング無双は、どちらに対応していますか?
ローマ字入力だけです。かな入力のモードはありません。お題の下に出るローマ字のとおりにキーを押すゲームで、日本語入力の変換はしません。
お題のローマ字は、設定の「ローマ字の打ち方」で、し=si か shi か、のように表示を変えられます。判定はいつも全部の綴りを受け付けます(ヘボン式と訓令式、タイピングはどっちで打つ?)。ローマ字入力を初めて覚える人は、ホームポジション道場で、指の位置からひらがなの打ち方まで順に練習できます。
FAQ
よくある質問(FAQ)
Q. かな入力の利用者は、何割くらいですか?
公的な統計は、見つけられませんでした。インターネット上には割合の数字がありますが、出典が確認できないので、この記事には書きません。
Q. 親指シフトなど、ほかの入力方式はどうですか?
この記事では扱っていません。調べていないことを書かないためです。
Q. 小学校では、ローマ字入力とかな入力のどちらで教えますか?
小学校の国語は、第 3 学年でローマ字の読み書きを学びます。ただし、私が読んだ国語編の解説に、ローマ字入力・かな入力という言葉はありません。次期学習指導要領の審議まとめ(審議の段階)は、小学校のタイピングを「ローマ字入力によるタイピング」と呼んでいます。実際の授業での扱いは、学校の案内を確かめてください。
Q. かな入力の人は、タイピング無双で遊べますか?
遊べません。ローマ字入力だけです。かな入力の人がローマ字入力を覚えるときは、ホームポジション道場から始められます。
SOURCES
出典
公的な資料と公式ページの記述は、次の資料で確かめました(確認日:2026年10月18日)。ページ番号はPDFの通しページです。打鍵数は出題辞書を数えたもので、数え方は本文に書きました。
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編」 — 第3学年のローマ字(p.80〜83)。全文を検索して、「ローマ字入力」「かな入力」という語が出てこないことも確認
- 中央教育審議会 教育課程部会「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」(令和8年10月5日) — 第1部 p.140。答申・告示の前の、審議の段階の文書
- Microsoft サポート「Microsoft 日本語 IME」 — Alt + ひらがなキーでかな入力とローマ字入力を切り替える設定(キーボード ショートカットの表)
- Dhakal, V., Feit, A. M., Kristensson, P. O., Oulasvirta, A. “Observations on Typing from 136 Million Keystrokes.” CHI 2018 — 英語のタイピングを大規模に調べた研究。日本語の入力方式の比較ではありません
- タイピング無双の出題辞書(v20260910)16,132語の読み — 打鍵数の数え方は本文のとおり
SUMMARY
まとめ
打鍵数は、かな入力のほうが少なく、出題辞書では、ローマ字入力の約 7 割でした。ただし、それが「早い」になるかは確かめられていません。これから始める人には、学校のローマ字・英語入力とのキー位置の共通性から、ローマ字入力が無理のない選択だと私は考えます。すでにかな入力で困っていない人は、変えなくてかまいません。